独り言・・・服について思うこと。

~ 2013年 7月 19日

この時期になると、当たり前と言えば当たり前なのですが、お店に入られたとたんに「セールはいつから?」と聞かれるお客様がおられます。

私は、この言葉を聞くと、なぜかいつも腑に落ちない気分になります。

なぜなら、セールにするのは、時間が経つと価値が落ちるからその前に何とかしたいということの現れだと思うのですが、お店の中にあるどのお洋服を見てもそんな風に思えるものがないからです。

確かに、アパレルの、消費者社会の常識の中では、服は旬のモノであり、時間の経過と共に価値が下がるものなのだと思います。

でも、私たちは、そもそも本当に良い服は、時間の経過と共に価値が下がったりしないのではないかと思っています。
良い素材を使い、丁寧に作られた服たちは、いつの時代にも通用する「何か」を持っていると思いますし、そういった服たちは、本来、着込むほどに肌馴染みが良くなり、愛着がわき、着た分だけ、愛した分だけ価値が高まるものではないかと思うからです。

昨年、HOSIYATO×WORKERSのデザイナー あらいさんが「ゴミを生み出すようなモノづくりだけはしたくない」とお話してくださったことが印象的で、お洋服を扱いながら、世の中の流れと一致していない・・・というよりは一致できないでいることに対するモヤモヤ感を吹き飛ばしてくれたように思いました。

そうです、世の常識なんて関係ないんです。
世の中の常識の中での「服」ではなく、私たちが考える「服」を扱えばいいんだって心から思えるようになりました。

先日、お洋服をご購入してくださったお客様から「10年後もこの服を着ていたいと思い、先行投資だと思って購入しました。」という嬉しいお手紙をいただきました。

私たちの思いが、少しずつですがお客様ともつながってきているように思いました。

これからも世の中に流されることなく、私たちが考える「服」をご紹介し続けてゆけたらなと思います。