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奥澤 華(金工) × 村上裕仁(陶器)

~ 2024年 8月 31日

〜 「飲むこと」にまるわるもの 〜

人々がコミュニケーションする場には、いつもなにかしら飲むものがあるように思います。

お茶、お酒、コーヒー、紅茶etc…
多種多様な飲みものが、私たちのコミュニケーションの場に寄り添い、潤滑油の役割を果たしてきました。

だから私たちは、昔から「飲むこと」にまつわる道具にこだわってきたのではないかと思います。

今回、この展示会を企画するにあたり、村上祐仁(陶)さんと奥澤華さん(金工)の二人の作家さんにお願いしました。

お二人の共通点は、静的なものとして「物」を捉えるのではなく、物を介し、そこに関わる人をも含めた動的なものとして考えているところです。

そんなお二人だからこそ、コミュニケーションの場に欠かすことのできない「飲むこと」にまつわる道具を作っていただくのにぴったりだと思いました。

二人の作家が生み出す「飲むこと」にまつわる道具たちをお楽しみいただけたらと思います。

※ 一部作品は9日(月曜日)から順次online shopでご覧になれます。

<村上祐仁さん>

「こんなものがあったらいいな。」
そんなお客様の問いかけには、つい応えてみたくなるという村上さん。

お客様の声を聞くことで、自分の中の引き出しが増えていくように感じるのだと言います。

村上さんにとって器を作ることはコミュケーションすることなのではないか。
そんな風に思いました。

言葉を使ったコミュニケーションが決して一人ではできないように、彼のモノ作りもまた、たくさんの人々との繋がりの上に成り立っているのだと思います。

「コロナがあったことで自分の方向性がはっきりした」という村上さん。

器を通じて人と繋がりたいという彼の思いが、人と人との繋がりが遮断された社会を経験したことで、よりはっきりと浮かび上がって来たのだと思います。

そんな彼が作るものだからこそ、今回のテーマにピッタリなのだと思っています。

<奥澤華さん>

使っている時の所作が綺麗に見えるものを作りたい。
奥澤さんはこう言います。

例えば茶托。
豆皿の上に茶杯を乗せると持ちにくく、お茶を出す時の所作が美しくなくなる。
だから彼女は、皿の角を立て、掴み易い茶托を作りました。

例えば急須。
お手入れのし易さを考えて持ち手が倒れるように作っているが、注ぐ時に出る少しばかりのぐらつきが気になるそうです。
そんなストレスのない、注ぐ姿が美しくなる急須を作ってみたいのだと彼女は言います。

暮らしの中にあるものは、すべて「使う」という動作を伴っています。
言い換えるとそれは、使うという動作まで含み、物は物として成立しているということです。

だとすると、彼女が目指しているものは、単なる物としての美しさを超えた「物の美しさ」なのではないでしょうか。

「飲むこと」にまつわる道具が持つ社会性を考える時、彼女が求める美の在り方もまた、深い意味を持つものになるのではないかと思っています。

開催概要

期間 2024年09月07日(土) ~ 09月15日(日) 月、火、水曜日休み
時間 12:00 ~ 18:00
作家 奥澤華 (8日在廊)、村上祐仁
場所 poooL 新店
東京都武蔵野市吉祥寺本町3-8-11 #101
JR・京王井の頭線吉祥寺駅北口から中道通りを徒歩5分