ファンにならずにはいられない卵シリーズ

~ 2011年 6月 14日

今回の展示で初お披露目された兼行誠吾さん【卵】シリーズ。

きめ細やかだけど、少しざらつきのある独特の肌触りが、卵の殻の質感にそっくりなことから【卵】と名付けられました。

このシリーズ、“普段使いのための器”として生み出されたわけですが、シャープで美しい形、独特のマットな質感ゆえか、少々近寄り難く、気難しい印象を持たれるみたいです。

卵シリーズをご覧になられたお客様からは、「こんなに薄いお皿、割っちゃいそうで恐くて普段は使えない。」とか「染み込みとか色移りとかありそうで気を使っちゃいそう。」といったお声も聞こえてきます。

正直、私も最初はそう思ってました。兼行さんから新作ができたとのご連絡をいただき、お皿と汲み出しをいただいたのですが、なるべく色のないものや水分の少ないものを乗せて使うようにしており、油物などもってのほかと思ってました。

でも、この器たちの本当の魅力は、実はこんな使い方をしていてはちっともわからなかったんです。だってこのコたちは、上品な顔だちからは想像もできないくらい、ものすごくタフなんですから。


染み込み、色移りはほとんど全くと言っていいほどなく、油物、汁物、色の濃いもの、なんでもござれの万能選手です。

汚れ落ちもとてもよく、洗物もラクチン。その上、レンジもOKなんです!

見た目の上品さにだまされず(?)ガンガン使ってこそ本当の魅力がわかる、そんな器たちです。この形、この質感を実現しながら、日常使いにおける利便性を何1つ失わない器たちを生み出した兼行誠吾さんという作家さんには本当に脱帽です。

まずは1つ、ぜひ使ってみてください。きっとファンにならずにはいられないと思います。

兼行誠吾×永塚結貴 陶展より
2011年6月8日(水)〜6月19日(日)