石原稔久さんの作品
昔、コンサルティングの仕事をしていた時、師匠がよくこんなことを言っていました。
「わかりやすいことが何より大切。子供でもわかるように説明ができれば一人前だ。」と。
仕事をすればするほど、【わかりやすくする】ということがいかに難しいことか分かるようになりました。
【わかりやすさ】は、深い知識と多様な経験に裏打ちされたところから生み出されるからこそ価値があるのだと思います。
逆に言うと、そういった奥行きのない独りよがりのわかりやすさは、単に【幼稚】になってしまうのではないでしょうか?
石原さんの作品には、【わかりやすさ】があると思います。
彼の中にある様々な知識と経験、そして人間としての奥行きによって支えられている上質の【わかりやすさ】があるからこそ、ウィットに富んだ、遊び心満載の作品は、【わかりやすい】ものであっても決して幼稚にはならないのでしょう。
今回の展示では、器の他にも、海の生物をモチーフにした人形のオブジェや、動物の頭を被った人形のオブジェ(頭の被りものは脱げるようになっています。)など、可愛くて楽しい、ウィットに富んだ作品が満載です。