時に風に吹かれ、時に雨に打たれ、またある時には日に照らされ、そうして自然と時間の洗礼を受けてきたものだけが持っている独特の “ 風貌 ” 。
自然と時間という人間を超越したものだけが与えることのできる “ 風貌 ” を、なぜか中嶋さんの作品は持っているような気がします。
あるインタビューで、彼女は制作についてこんなことを語っていました。
「作品を作るこということは、言葉にならない言葉を紡ぐような、海の底を手探りしながら、“ 何か ”を見つけようとするような、そんな作業に似ている気がします。
言葉にならない言葉はいったいどんな言葉なのか?
海の底には何があるのか?
それを知りたくて制作を続けているのかもしれません。
作品は、知りたかった物語の断片を運んで来て、私に知らせてくれるように思います。」
この言葉が示すとおり、彼女にとって制作は、自分自身との対話なのかもしれません。
そしてその対話は、「作品」という成果物を通じて、自分自身との対話から、彼女と外の世界との対話へと繋がってゆくのではないでしょうか。
「制作は中嶋さんにとってご自分と対話をする手段であり、その対話を通じて私たちとも話をしようとしてくれているんですね。」
そう言った私に対し、
「一歩、一歩、形にしてゆく、なってゆく。
探すというよりは発見する。
うまく言葉にできないのですが、そんな風に思いながら制作しています。」
と言った彼女。
人間を超越したものだけが与えることのできる “ 風貌 ” を、なぜか彼女の作品は持っている・・・そんな風に感じた私の感覚は、あながち間違っていなかったのかもしれません。
だって、彼女は “ 自分の中のおっきな宇宙 ” と向き合い、それをアウトプットしているんですから。
- yoko
中嶋さんの個展を2014年6月にpoooL本店にて開催予定です。
中嶋さんの作品は、poooL online shopでもご覧いただけます。