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オノエコウタ(onoe kota) 個展 2025

2025年2月15日(土) ~ 02月23日(日)

切り口、繋ぎ目、独特の歪み。
オノエさんらしい意匠の上に、生々しいキズ跡や、落書きのようなエッチングが加えられた今回の作品。

柔らかな乳白色と対照をなすそれらの痕跡が、時に痛々しく、時に楽しげに見えます。

この作品について、彼は「もっと遊んでみたくなった。」と言いました。
と同時に「もっと実用的にしたいと思った。」とも言いました。

より実用的であることは、彼が「もっと遊ぶ」ための土台ではないかと思います。

半年前、彼に話を聞いた時「 ”プロダクト “ と “ 自分らしさ “ のバランスが面白い」と言っていました。

彼にとって「プロダクト」は、規格、均一、均質を意味するもので、そういったものとバランスさせることで「自分らしさ」の出力量を調整していたように思います。

そしてそれが作品の「実用性」を担保していたと思っています。

しかし、常に綱引きが要求されるこのやり方では、「もっと遊ぶ」ことが難しくなったのではないでしょうか。

だから彼は「実用性」を高めることで、そのための土台を作ったのだと思います。

新しい作品には陶器ではなく磁器が用いられています。
陶器よりも硬く、密度の高い磁器を用いることで、沁み込みにくく、欠けにくくなりました。

「これまで色々なやり方(制作)にチャレンジしてきたけど、初めてやり甲斐のようなものを感じた。
 この感覚を忘れないようにしたい。」

オノエさんはこう言います。

コップに水を注ぐと、ある日突然溢れる出る時がきます。
それと同じく人の中に溜まり続けたものも、ある日突然溢れ出るものなのかもしれません。

この作品はオノエさん自身を映し出した鏡なのかもしれない…。
ふとそんなことを思いました。

だからでしょうか。
その姿は私自身(=人間)のようにも思えます。

開催概要

期間 2025年2月15日(土) ~ 02月23日(日) 月、火、水曜日休み
時間 12:00 ~ 18:00
作家 オノエコウタ(onoe kota)
場所 poooL 新店
東京都武蔵野市吉祥寺本町3-8-11 #101
JR・京王井の頭線吉祥寺駅北口から中道通りを徒歩5分