作品について、作家さんからお話を聞けば聞くほど、作品に対する愛情がわいてきます。
そんな気持ちを皆さんと少しでも分けあえればと思い、作家さんたちから伺った作品づくりに対するお話をお伝えしていければと思っています。
見ているだけで幸せな気持ちになれるタナカユミさんの可愛らしいガラスのオブジェ。こんな可愛らしい作品を作るタナカさんですが、以前は大きなオブジェのアートピースばかりを制作されていたそうです。
いったい何が彼女の作品づくりに変化をもたらしたのでしょうか。
彼女のモノづくりが変わったきっかけは、お友達とお子さんにあったと言います。
展示を見に来てくれたお友達が、大きなアート作品を前に、自分とは縁のない世界のもののように感じていることを寂しく思い、もっと身近に感じられる作品を、気軽に持ち帰れる作品をと考えたことがきっかけでした。
そしてお子さんが生まれ、その成長を見守りながら、彼女の中の制作に関するスケール感が変化をしたのだと言います。
「以前は自分を表現するためには40cm以上のスケール感が必要でした。
しかし、子供と一緒に過ごす時間の流れの中で、私の持っている標準のスケール感が
以前とは異なってきたのだと思います。」
小さな体の中に計り知れないほどの可能性がギュッと詰まっているお子さんの成長を見守りながら、小さく、可愛らしいものの中に秘められた無限のパワーを感じ取られたのかもしれません。
こうして、今ではすっかりお馴染みのお家のシリーズが誕生しました。
そんな彼女の次なるチャレンジはフレームタイプのオブジェです。
縦40cm、横18cmと少し大きめのサイズ。
「半立体的な要素を膨らませて作るので面白く思っています。
スケール感が、また少しずつ膨らんできているのかもしれませんね。」
お子さんの成長を見守りながら、彼女の表現も一緒に「成長」し続けているのかもしれません。次なる作品が楽しみです。